勤続25年は、50歳前後での退職に該当するケースが多く、退職所得控除は「800万円+70万円×5年」で1,150万円という大きな控除額が適用されます。20年超の優遇措置により、1年あたり70万円もの控除額加算があるのが特徴です。
退職金が1,150万円以下であれば全額非課税で受け取れます。これは大きなメリットで、中小企業の退職金であればほぼ全額が手元に残る計算になります。退職金2,500万円の場合でも、退職所得は675万円(課税退職所得)で、税金は約130万円、手取り率は約94.8%です。
大企業の管理職であれば、勤続25年での退職金は2,000万〜3,000万円程度になることが一般的です。この場合、1,150万円の控除を差し引いても課税対象が残りますが、2分の1課税のおかげで実質的な税率は低く抑えられます。
退職所得控除の仕組みをおさらいすると、勤続20年以下は「40万円×年数」、20年超は「800万円+70万円×(年数−20年)」で計算されます。勤続25年の場合は後者の計算式が適用され、20年超の5年分(70万円×5年=350万円)が800万円に上乗せされ、合計1,150万円となります。
iDeCoとの併用戦略として、勤続25年で50歳前後に退職する場合、iDeCoの受取りを60歳〜65歳に設定すれば、10年以上の間隔を確保できる可能性があります。この場合、退職金とiDeCoそれぞれで退職所得控除を最大限活用でき、トータルの税負担を大幅に軽減できます。
役員として退職する場合の注意点があります。役員等で勤続5年以下の場合は、退職所得の2分の1課税が適用されません。ただし、勤続25年であればこの制限は関係なく、通常通り2分の1課税が適用されます。
退職金の受取方法については、1,150万円の控除枠を一時金で活用し、控除枠を超える部分を年金で受け取るという「併用プラン」も検討に値します。会社の退職金制度が併用を認めている場合は、税制メリットと長期資金確保の両立が可能です。