勤続20年は退職所得控除の計算において重要な節目です。勤続20年ちょうどの場合、退職所得控除は「40万円×20年」で800万円となります。ここが「40万円×年数」と「800万円+70万円×(年数−20年)」の境目にあたります。
つまり、勤続21年目からは1年あたりの控除額が40万円から70万円にジャンプアップするため、20年を超えて勤務すると控除額が急速に増加します。退職時期を検討する際に、勤続20年を超えるかどうかは大きな判断材料になります。
退職金が800万円以下であれば、勤続20年の退職所得控除によって全額非課税です。退職金2,000万円の場合は退職所得が600万円(課税退職所得)で、税金は約110万円、手取り率は約94.5%です。
勤続20年は、大企業では部長クラスへの昇進期にあたることも多く、退職金も1,500万〜2,500万円程度になるケースが一般的です。中小企業でも800万〜1,200万円程度が目安となり、控除額800万円を超えるかどうかの境目になります。
退職所得控除の20年超の優遇は、長期勤続を奨励する政策的な意図があります。勤続20年以下は「40万円×年数」ですが、20年超は「800万円+70万円×(年数−20年)」と、1年あたりの控除額が1.75倍に増えます。例えば勤続25年なら1,150万円、勤続30年なら1,500万円の控除となります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)との関係では、退職金を先に受け取り、iDeCoを後から受け取る場合は「10年ルール」が適用されます。つまり、退職金受取りから10年以上経過した後にiDeCoを受け取れば、改めて退職所得控除をフルに使えます。勤続20年で退職金を受け取る場合、50代前半に退職金、60代にiDeCoという計画が理想的です。
退職金の受取方法について、一時金で受け取るか年金で受け取るかの選択は、退職後のライフプランに大きく影響します。一時金であれば退職所得控除と2分の1課税のメリットがありますが、年金であれば分割受取りで長期的な生活資金として活用できます。税制面では一般的に一時金が有利ですが、運用益が期待できる場合は年金受取りも選択肢になります。