勤続10年での退職は、転職やキャリアチェンジを検討する30代前半〜中盤の方に多いケースです。退職所得控除は「40万円×勤続年数」の計算式が適用され、勤続10年の場合は400万円が控除額となります。
退職金が400万円以下であれば、退職所得控除の範囲内に収まるため、税金は一切かかりません。しかし、退職金が1,000万円の場合、退職所得は300万円(課税退職所得)となり、所得税・住民税合わせて約50万円の税負担が発生します。
近年、転職市場の活発化により、勤続10年前後で退職する方が増えています。退職金の受け取り方として「一時金」と「年金」が選べる場合、一時金で受け取ると退職所得控除が適用されるため、税負担を大幅に抑えることができます。
退職所得控除の仕組みとして重要なのは、勤続20年以下の場合は「40万円×年数」で計算される点です。つまり、1年勤続が長くなるごとに控除額が40万円ずつ増えていきます。もし退職時期を調整できるのであれば、年数が1年変わるだけで手取りが数万円変わることもあります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)との関係も重要です。iDeCoを一時金で受け取る場合、退職所得控除の計算で勤続年数と重複する期間があると、控除額が減ってしまう可能性があります。2024年以降の改正では、退職金受取りとiDeCo受取りの間を10年以上空けることで、それぞれ独立して控除を受けられるルールとなっています。退職時期とiDeCoの受取時期は慎重に計画しましょう。
退職金の受取方法として、一時金と年金の選択肢がある場合のポイントです。一時金は退職所得控除+1/2課税という優遇措置があるため、多くの場合は一時金で受け取る方が税制上有利です。ただし、年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用されるため、退職後の収入状況によっては年金受取りが有利になることもあります。