年収850万円は、給与所得者の上位10〜15%に位置する高収入帯です。月々の手取りは約625.4万円で、大手企業の部長候補〜部長クラスや、専門性の高い技術職・コンサルタントに多い水準です。給与所得控除の上限(195万円)に到達する直前の年収帯であり、税制上の重要な境目でもあります。
手取り率は約73.6%で、課税所得の大部分に20%の所得税率が適用されます。年収850万円を超えると給与所得控除が上限の195万円で頭打ちとなるため、ここが一つの節目です。つまり、年収850万円と年収900万円では給与所得控除はほぼ同額ですが、課税所得は50万円増えるため、税負担率が急に上がる「損益分岐点」に近い年収帯です。
生活設計の面では、住宅ローン返済(月12〜15万円)、教育費(子1人で月3〜5万円)、保険料(月2〜3万円)、車の維持費(月3〜5万円)をすべて支払っても、月5〜10万円の貯蓄・投資が可能です。生活防衛資金(生活費の6ヶ月分)を確保した上で、余剰資金を資産運用に振り向けるフェーズに入ります。
資産運用の基本戦略として、つみたてNISA(年120万円)とiDeCo(年27.6万円)の非課税枠をフル活用することが最優先です。iDeCoの節税効果は年間約7〜8万円に上り、30年間で約210〜240万円の節税になります。さらに余裕があれば、成長投資枠(年240万円)も活用しましょう。
ふるさと納税の上限目安は約13万円と高額で、家電やブランド食材など高額返礼品も選択肢に入ります。生命保険の見直しによる固定費削減も有効です。保障内容が重複する保険がないか、掛け捨て型への切り替えで月1〜2万円の保険料削減ができるケースも多いです。医療費控除は年間10万円超の部分が対象になるため、出産・歯科矯正がある年は確定申告を忘れずに行いましょう。