年金月額30万円(年額360万円)は、公的年金としてほぼ上限に近い最高水準の年金額です。大企業の役員経験者や、長年にわたり標準報酬月額の上限に近い水準で厚生年金に加入していた方に見られます。毎月の手取りは約248,231円で、年金収入だけで非常に豊かな老後生活を送ることができます。
公的年金等控除110万円を差し引いた雑所得は250万円となり、基礎控除48万円やその他の控除を適用しても、まとまった課税所得が残ります。所得税は5%の税率が適用され、住民税10%と合わせて年間で十数万円の税負担となります。国民健康保険料も所得割が大きくなるため、手取り率は85%前後にまで下がります。
月額約248,231円の手取りがあれば、夫婦世帯でも年金だけで十分な生活が可能です。年2〜3回の旅行、月数万円の趣味・交際費、さらに将来の介護費用への備えも年金収入から捻出できます。資産の世代間移転も計画的に進めましょう。教育資金一括贈与の非課税制度(1,500万円まで)や暦年贈与(年110万円まで非課税)を活用した相続対策が有効です。
この年金水準では確定申告による節税効果が大きくなります。医療費控除(年間10万円超の医療費)、社会保険料控除の正確な申告、生命保険料控除・地震保険料控除の適用を忘れずに行いましょう。ふるさと納税も課税所得に応じた上限額(目安で年3〜5万円程度)まで活用できます。
繰り下げ受給は既に高額のため損益分岐点が遠くなりがちですが、75歳まで繰り下げれば月額55.2万円(年額662万円)と大幅に増額されます。ただし、繰り下げ中の10年間は無収入となるため、十分な貯蓄がある場合に限られます。また、年金額が高くなると社会保険料や税金も増えるため、額面の増額ほど手取りは増えない点にも注意が必要です。後期高齢者医療制度(75歳以上)に移行した際の保険料負担も考慮して、総合的に判断しましょう。