夏のボーナスから引かれるもの - 天引き内訳を徹底解説
夏のボーナス(賞与)は多くの会社員にとって6月〜7月に支給される年2回の嬉しい収入です。しかし、「額面の金額と比べて手取りが思ったより少ない」と感じる方は少なくありません。ボーナスからは通常の給与と同様に社会保険料と所得税が天引きされますが、その計算方法は給与とは異なる独自のルールが適用されます。ここでは、2026年の夏のボーナスから引かれるものの内訳と、賢い使い方について詳しく解説します。
夏のボーナスの天引き内訳
ボーナスからは以下の4種類(40歳以上は5種類)の天引きがあります。
- 健康保険料:都道府県ごとの保険料率の半額を負担します。東京都の場合、2026年度の料率は9.97%で、労働者負担は4.985%です。
- 厚生年金保険料:18.3%の半額(9.15%)を負担します。ただし、1回の賞与につき150万円が上限(標準賞与額)です。
- 介護保険料:40歳以上65歳未満の方のみ。全国一律1.59%の半額(0.795%)を負担します。
- 雇用保険料:2026年度は0.6%(一般の事業)を労働者が負担します。
- 所得税:賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表に基づいて計算されます。
なお、住民税はボーナスからは直接天引きされません。住民税は前年の所得に基づき計算され、6月〜翌5月にかけて毎月の給与から天引き(特別徴収)されます。
ボーナスの所得税の計算方法 - 前月給与で税率が決まる
ボーナスの所得税は、毎月の給与とは異なる方法で計算されます。通常の給与では「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を使いますが、ボーナスでは「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用します。
具体的な計算手順は以下のとおりです。
- 前月の給与から社会保険料を差し引く:ボーナス月の前月(夏ボーナスなら5月or6月)の給与額面から、その月の社会保険料を差し引いた「社会保険料控除後の給与金額」を求めます。
- 税率表で税率を決定:上記の金額と扶養親族等の数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて、源泉徴収税率を求めます。
- 所得税を計算:ボーナス額面から社会保険料を差し引いた金額に、上で求めた税率を掛けて所得税を算出します。
つまり、前月の給与が高いほどボーナスの税率も高くなります。逆に、育児休業からの復帰直後で前月の給与が少ない場合は、ボーナスの税率が低くなり手取りが増えるケースもあります。これは毎月の給与所得税との大きな違いです。
2026年の夏ボーナス平均額と傾向
2026年の夏ボーナスについて、各調査機関のデータを踏まえた傾向をまとめます。
- 全産業平均:夏のボーナスの平均支給額は約40〜45万円程度が見込まれています。企業業績の改善に伴い、前年より微増傾向です。
- 大手企業:上場企業の平均は約80〜90万円で、製造業を中心に好調な業績を反映しています。
- 中小企業:平均30〜35万円程度で、大手との差は依然として大きい状況です。
- 公務員:国家公務員の夏のボーナス(期末手当+勤勉手当)は約2.2ヶ月分で、約60〜70万円が目安です。
2026年は賃上げ機運の高まりにより、多くの企業でボーナスの増額が期待されています。ただし、業種や企業規模による差が大きいため、自分の状況に合わせたシミュレーションが重要です。
ボーナスの賢い使い方 - 手取りを最大限活かす
夏のボーナスを有効に使うためのポイントを紹介します。
- ふるさと納税の活用:ボーナス分も含めた年収で控除上限額を計算し、実質2,000円で各地の返礼品を受け取りましょう。夏のうちに寄附すると、人気の返礼品が品切れになる前に選べます。
- iDeCoの活用:個人型確定拠出年金(iDeCo)は掛金が全額所得控除になります。会社員の場合、月1.2〜2.3万円の拠出が可能で、年間の節税効果は数万円に上ります。
- NISAでの投資:2024年から始まった新NISAでは、年間360万円まで非課税で投資できます。ボーナスの一部をNISAに回すことで、長期的な資産形成が加速します。
- 生活防衛資金の確保:まだ貯蓄が十分でない方は、まず生活費3〜6ヶ月分の緊急資金を確保しましょう。
- 高金利の負債返済:クレジットカードのリボ払いやカードローンがある場合は、ボーナスで一括返済することが最も効果的な「投資」です。
ボーナスとふるさと納税の関係
ふるさと納税の控除上限額は、その年の年収(ボーナスを含む)に基づいて決まります。夏のボーナスが支給されることで年収が確定しやすくなり、ふるさと納税の上限額をより正確に把握できます。
例えば年収500万円(ボーナス込み)の独身者の場合、ふるさと納税の目安上限額は約6.1万円です。実質2,000円の自己負担で、約6万円分の返礼品(肉・魚・米・フルーツなど)を受け取ることができます。ボーナス月にまとめて寄附を行い、ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告も不要です。
年収が前年より大きく変動する方は、ふるさと納税のシミュレーターで上限額を再計算してから寄附することをおすすめします。上限を超えた寄附は控除の対象外となり、純粋な持ち出しになってしまうため注意が必要です。