所得税の仕組みをわかりやすく解説【2026年改正対応】
最終更新: 2026年3月
💡 30秒でわかるポイント
- 所得税は累進課税で税率5〜45%の7段階(課税所得に応じて段階的に適用)
- 年収500万円(独身)の所得税は約14万円、実効税率は約2.8%
- 基礎控除48→95万円への引き上げが2026年から適用(手取り増)
- 給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除の3つで課税所得が大幅に減る
所得税の計算方法を、図解とインタラクティブな計算ツールを使いながらステップごとに解説します。2026年税制改正(基礎控除95万円への引き上げ)にも完全対応しています。
1. 所得税とは
所得税とは、個人の1年間(1月1日〜12月31日)の所得に対して課される国税です。 日本の所得税は累進課税を採用しており、所得が多いほど高い税率が適用されます。 給与所得者(会社員・パート等)の場合、毎月の給与から源泉徴収され、年末調整で精算されるため、 多くの方は確定申告を行わなくても納税が完了する仕組みになっています。
基礎控除の引き上げ:合計所得金額132万円以下の場合、基礎控除が48万円から95万円に大幅引き上げ(+47万円)。
給与所得控除の拡大:最低額が55万円から65万円に引き上げ(+10万円)。年収190万円以下に適用。
これにより、所得税の非課税ラインは年収103万円から160万円に引き上げられました。
2. 所得税の計算ステップ(図解)
所得税は、収入からいくつかの控除を差し引き、残った「課税所得」に税率を適用して計算します。 以下のフローチャートで全体の流れを確認しましょう。
(年収)
を差し引く
を差し引く
3. 給与所得控除
給与所得控除とは、給与収入から自動的に差し引かれる必要経費のようなものです。 自営業者が事業経費を差し引くのと同じ考え方で、会社員は一律に下記の計算式で控除額が決まります。
給与所得控除の早見表(2026年改正版)
| 給与収入(年収) | 控除額 |
|---|---|
| 190万円以下 | 65万円(最低額) |
| 190万円超〜360万円以下 | 収入 x 30% + 8万円 |
| 360万円超〜660万円以下 | 収入 x 20% + 44万円 |
| 660万円超〜850万円以下 | 収入 x 10% + 110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
4. 所得控除の種類一覧
所得控除は、個人の事情(家族構成・社会保険料の負担など)に応じて課税所得を減らす仕組みです。 主な所得控除は以下の通りです。
全ての納税者に適用。合計所得132万円以下で95万円、132万円超〜2,400万円以下で48万円。所得2,500万円超はゼロ。
配偶者の合計所得が48万円以下(年収103万円以下)の場合に適用。本人の所得が1,000万円超で適用不可。
配偶者の所得48万円超〜133万円以下で段階的に適用。本人の所得が1,000万円超で適用不可。
16歳以上の扶養親族1人につき38万円。19〜22歳は特定扶養で63万円、70歳以上は老人扶養で48万円(同居なら58万円)。
健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・国民年金保険料など、支払った全額が控除対象。
一般生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3区分、各最大4万円で合計最大12万円。
年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた部分が控除対象。確定申告が必要。
ふるさと納税の場合、自己負担2,000円を差し引いた額が控除対象。ワンストップ特例で確定申告不要も可。
基礎控除が所得階層別に変更されました。
| 合計所得金額 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 132万円以下 | 48万円 | 95万円 |
| 132万円超〜2,400万円以下 | 48万円 | 48万円(変更なし) |
| 2,400万円超〜2,450万円以下 | 32万円 | 32万円 |
| 2,450万円超〜2,500万円以下 | 16万円 | 16万円 |
| 2,500万円超 | 0円 | 0円 |
5. 税率表(インタラクティブ)
所得税は超過累進税率方式を採用しています。 「超過」とは、所得全体に一律の税率がかかるのではなく、各区分を超えた部分のみに高い税率が適用されるという意味です。 課税所得金額を入力すると、該当する税率区分がハイライトされます。
| 課税所得金額 | 税率 | 控除額 | 税額の計算式 |
|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 | 課税所得 x 5% |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 97,500円 | 課税所得 x 10% - 97,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 427,500円 | 課税所得 x 20% - 427,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 636,000円 | 課税所得 x 23% - 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 | 課税所得 x 33% - 1,536,000円 |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 | 課税所得 x 40% - 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 | 課税所得 x 45% - 4,796,000円 |
6. 所得税の簡易計算ツール
年収を入力するだけで、給与所得控除・基礎控除・課税所得・所得税の全ステップを表示します。 各ステップの計算過程を確認しながら、所得税の仕組みを実感できます。
7. 年末調整と確定申告
年末調整とは
会社員やパートの方は、毎月の給与から「源泉徴収」として所得税が天引きされています。 しかし、この金額は概算で計算されているため、12月に年末調整を行い、 1年間の正確な所得税額との差額を精算します。 生命保険料控除や住宅ローン控除(2年目以降)なども、年末調整で申告できます。
確定申告が必要なケース
以下に該当する場合は、翌年2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。
- 給与収入が2,000万円を超える場合
- 副業の所得(収入 - 経費)が20万円を超える場合
- 医療費控除を受ける場合
- 初年度の住宅ローン控除を受ける場合
- ふるさと納税の寄付先が6自治体以上の場合
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合
- 株式の譲渡損失の繰越や損益通算をする場合
8. よくある質問
所得税はいくらから発生しますか?
2026年の税制改正後、給与収入のみの場合は年収160万円以下であれば所得税は発生しません。これは給与所得控除65万円と基礎控除95万円(合計所得132万円以下の場合)の合計160万円が非課税ラインとなるためです。なお、合計所得が132万円を超える場合は基礎控除が48万円となるため、非課税ラインは異なります。
2026年の所得税改正で何が変わりましたか?
主に2つの変更があります。(1) 基礎控除が合計所得132万円以下の場合に48万円から95万円に引き上げ(+47万円)。(2) 給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げ(+10万円)。これにより、所得税の非課税ラインが年収103万円から160万円に大幅に引き上げられました。特にパート・アルバイトの方に大きな影響があります。
累進課税とは何ですか?全額に高い税率がかかるのですか?
累進課税とは、所得が多くなるほど高い税率が適用される仕組みです。日本の所得税は超過累進税率を採用しているため、所得全額に最高税率がかかるわけではありません。例えば課税所得が200万円の場合、195万円までの部分には5%、残り5万円に対して10%が適用されます。「税率が上がると手取りが減る」という心配は不要で、増えた所得の一部に高い税率がかかるだけです。
所得税と住民税の違いは何ですか?
所得税は国税で、累進税率(5%〜45%)が適用されます。住民税は地方税で、一律10%(都道府県民税4% + 市区町村民税6%)+ 均等割5,000円です。また、基礎控除の金額が異なり、住民税の基礎控除は所得税より低く設定されています(2026年改正後: 所得税95万円 vs 住民税58万円、所得132万円以下の場合)。
計算根拠・参照データ
本ページの内容は、以下の公的機関のデータ・法令に基づいています。
※ 計算結果はあくまで概算です。正確な金額は各公的機関や専門家にご確認ください。